生活科・新学習指導要領の方向性と新しい教科書

生活科改訂の重点ポイントと「あたらしい せいかつ」

今回の生活科学習指導要領改訂の重点ポイントを整理すると,以下の4点があげられます。

  • 1.言語を中心とした表現活動
  • 2.他者との交流活動
  • 3.幼児教育との連続性
  • 4.気付きの質を高める遊びや学習活動

教育課程の改訂(2008.3)の教育内容の充実に関する改善事項で示された7点のうち,特に関連する①〜⑤について,生活科の活動と「あたらしい せい
かつ」から見てみましょう。

①言語活動:多様な人とかかわり,体験を通して生まれる言語活動の充実として,「生活科カード」や「吹き出しセリフ」で具体的な表現事例を示しています。

②理数教育:自然への気付きを深め,数えたり,比べたり,対応させたりする活動が繰り返されています。

③伝統文化:伝統文化に触れる遊びについて,自然の素材を活用し,季節を活かした遊びの中にも,様々な展開が提案されています。

④道徳教育:規範意識を醸成しつつ,ルールやマナーを身につけるために留意すべき事項や約束すべき事柄が随所に示されています。

⑤体験活動:めぐる季節ごとの交流・連携の中で,人間関係能力も育成されています。教科書に登場する6人の個性豊かな主人公に,子ども自身を重ねながら,伝え合い,交流する活動の充実を図ることができます。

パワフル! ビューティフル! ハートフル!

パワフル(Powerful)は,力をつける生活科。子どもたちが「わたしもやってみたいな!」という意欲を引き出す大胆な構成や工夫がされていることに気付かれるでしょう。教科書を開くと,大きく3 つの育てたい力が伝わってきます。
<気付きの質を高める>
気付いて工夫する,工夫して気付きの質を高めていく「試行錯誤」の連続です。
<自然の不思議さ,面白さを実感する>
科学的な見方・考え方の基礎を養う面白さ,ワンダーランドが広がっています。
<幼児教育及び他教科との接続>
導入ページに,幼児教育との接続期のスタートカリキュラムの事例が示されています。遊びから学びへの連続発展とともに,合科的な活動から他教科との接続を参考にしましょう。
ビューティフル(Beautiful)は,振る舞いや行動の美しさを育てる生活科。自立の基礎「学習自立・生活自立・精神自立」を養う生活科の目標において,基本的生活習慣の確立をめざした指導が大切です。
ハートフル(Heartful)は,豊かな心を育む生活科。安全教育や生命に関する教育の充実とともに,
ルールを守って活動することを重視しましょう。
生活科は,教育課程の編成制度発足(昭和22 年)以来,40 年ぶりに小学校低学年に誕生した新教科です。
小学校低学年の発達段階にふさわしい幼稚園教育との円滑な接続や,諸外国の低学年教育の実状を考慮して生まれ,めざす学びの基礎・基本は,教科誕生の当初から「生きる力」の育成です。原点からのゆるぎない理念とそれに基づいた教科書作成のコンセプトを,この発達段階の子どもに届けるのが,教師の使命であり,誇りであり,楽しみでありたいものです。
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