幼稚園における学校評価項目作成の試み

善野八千子

Making attempt of school evaluation items in kindergarten
Yachiko Zenno

第1章 問題と目的

学校教育法が平成19年6月に改正され、それに基づき学校法教育施行規則が同年10月に改正された。それにより、幼稚園を含むすべての学校に学校評価が義務付けられることとなった。

それには自己評価の義務付けと学校関係者評価の努力義務化、評価結果の設置者への報告に関する規定がもうけられた。

これらのことを踏まえ、各学校園では学校園運営について評価を行い、その結果に基づいて学校園運営の改善を図り、教育水準の向上に努めているところである。

2007年度については、全国の公立学校(大学、高等専門学校を除く/以下同じ)における「自己評価」の実施率は、98.0%、全国の公立学校における「自己評価結果」の報告書の提出率は、42.5%、「自己評価結果」の公表率は、45.2%「学校関係者評価」は、49.1%の公立学校で行われている。

学校に関する情報をホームページで公表した公立学校は、全体の69.5%に達し、前年度より大きく伸びている(文部科学省HP)。

今後、評価のあり方を見直す研究・研修に取り組むと共に、学校園運営の課題を職員全体で共有化し、保護者・地域との連携のもと、よりよい学校園運営に向けた取り組みの充実が図られることが期待されている。
幼稚園における学校評価については、平成14年4月に施行された幼稚園設置基準において、各幼稚園は、自己評価の実施とその結果の公表に努めることとされた。また、保護者等に対する情報提供について、積極的に行うこととされた。

さらに、平成19年6月に学校教育法、同年10月に学校教育法施行規則の改正により、自己評価・学校関係者評価の実施・公表、評価結果の設置者への報告に関する規定が新たに設けられた。

幼稚園は、教科教育ではなく、入園の選択幅が大きく、規模が比較的小さい等の特徴があるため、ガイドラインが作成された。

評価項目等について幼稚園独自の視点の例「別添2」として記載されている。(資料1)筆者は、学校評価は、実施することによって保護者の幼稚園に対する理解が深まったり参画意識が高まったりしながら、保護者としての自覚が育まれたり、幼稚園に協力したりする態度が増していくように機能するものであると考えている。

しかし、全国的にも幼稚園における自己評価の取組が進んでいるとは言えない。その原因の一つとして、アンケート項目作成の課題が大きくある。

保護者アンケート項目が保護者には理解しにくいことやその結果をどのように活かすかの目的もなく実施されていることである。これまでの幼稚園における評価は、各担任が学級経営案という視点で網羅的に各自保育を見直しながら取り組み、マネジメントサイクルに基づき組織的・継続的な視点で見直し改善を進めていたとは言いがたいものである。

奈良県内の先進的な取組の市においては、平成18年度からは、教職員の評価に対する意識高揚のために、自己申告シートの導入を行い平成19年度からは、学校評議員制度を立ち上げ、外部評価に取り組む等して、園通信やホームページ等で結果の公表を行っている。

しかし、保護者や学校評議員の意見を教育活動に反映したいと思う一方、保護者アンケートの作成には着手されず、園の組織的な改善にまで生かされていないという現状である。
これまでの先行研究においては、保護者と教師のコミュニケーション満足度(AdamsCristensen,2000 )について明らかにされている。また、学力(Adams&Christensen,2000)、子どもの学習状況・成長、学級のまとまりが学校信頼の決定要因であることが明らかにされてきている(露口2008))。しかし、幼稚園における保護者の満足度に関する研究や信頼の決定要因を究明する研究は十分進んではいるとはいえない。

昨今、学校と保護者の溝を象徴する言葉が多く聞かれる。「モンスターペアレンツ」や「不適格教員」がその例である。学校を評価されることで保護者との対立構造を層生み出したり、クレーマーを増加させたりするかのような誤解や危惧をもっている教員の意識も未だ見られる。

幼稚園における学校評価ガイドライン(文部科学省 2008.3)においては「幼児の健やかな成長のために、保護者にとってその幼稚園の学校運営の状況を学校評価を通して理解することは重要なものとなる。また、それにより、保護者との連携協力の促進を図ることができることとなる。」と示されている。

保護者が子どもをもって初めて出会うこととなる「幼稚園における学校評価」の評価項目が形骸化されたものや信頼構築につながらないものであってはならないと筆者は考える。
そこで、本研究では、このような点を解決するため、幼稚園の経営実態から適切に把握できる評価項目を策定する。

そのために現職教員及び教員養成段階の学生に対して彼らの考える自由記述によって質問項目を作成する。そのことによって、よりよい幼稚園づくりに寄与するためのツールとなる学校評価において、保護者アンケート項目には何が必要か、どのような問いかけが可能かを明らかにすることができるであろう。

第2章 方法
1.調査Aにおける時期と対象

(1)2009年1月20日実施。調査対象は、大阪府内公立保・幼・小・中・特別支援学校教員、保育士27名である。A4版1枚調査用紙には、調査タイトル「私が親ならこんな幼稚園に通わせたい」と内容10項目、番号27までが印刷されている。保・幼・小・中・特別支援学校教員研修において「学校評価」講演の講師によって実施された。

(2)2009年1月26日~29日実施。調査対象は、幼稚園教諭・保育士養成校の女子1回生21名、2回生20名、3回生22名、合計63名である。A4版1枚からなる調査用紙には、調査タイトル「私が親ならこんな幼稚園に通わせたい」と内容10項目、番号27までが印刷されている。「キャリアデザイン演習」と「総合演習」の最終講義時間に科目担当者によって実施された。

(3)2009年1月27日実施。調査対象は、奈良県内公立小・中学校教員10名、教育委員会事務局指導主事4名である。A4版1枚からなる調査用紙には、調査タイトル「私が親ならこんな幼稚園に通わせ
たい」と10項目、番号27までが印刷されている。文部科学省委嘱事業学校評価運営委員会において、学校評価運営委員によって実施された。

(4)2009年2月4日実施。調査対象は、国立教育大学教員養成課程学部生150名である。A4版1枚からなる調査用紙には、調査タイトル「私が親ならこんな幼稚園に通わせたい」と10項目、番号27までが印刷されている。「生活科教育法」において、科目担当教員によって実施された。
(*調査の実施者は全て筆者)(調査用紙は、別表1)

2.調査Aにおける手続き

教示は、全て次のようである。

「配付された用紙に「私が親ならこんな幼稚園に通わせたい」という願いや思いを1つの番号の横に1つの内容で書いて下さい。」さらに、調査時の留意点として、次のような教示を付加した。

「思いが浮かびにくくなったら左の10項目をヒントにして下さい。例えば、『園長』の項目で願いが浮かんだら『園長先生はこんな方がいいな』などと思いつくままに並べてみて下さい。左の項目に合わせて書く必要はありません。」

3.調査Bにおける時期と対象

2009年3月4日~10日実施。調査対象は、奈良県内公立幼稚園11園の保護者204名、教員80名である。A4版6枚の調査用紙には、質問Ⅰ~Ⅵが印刷されている。そのうちⅢについては、調査Aによって作成された122項目が記載されている。
本調査の実施方法については、2009年3月3日、当該市の園長研修会において筆者が説明し協力を依頼したものである。各園では教員に対しては園長が説明し実施された。また、保護者に対しては、担任が配付し、家庭での記入後、送迎時に回収をおこなった。

4.調査Bにおける手続き

教示は、全て次のようである。

「このアンケートは今求められている幼稚園の在り方をあきらかにし、よりよい幼稚園をつくっていくための資料を得るために行うものです。是非、皆様の忌憚のないご意見を伺わせていただきたいと思います。ご協力をお願いいたします。幼稚園に必要だと考えたことについては5段階で○を付けて下さい。」記入に要した時間は10~15分である。(別表2)

第3章 結果と考察

まず、調査Aの回答結果について全ての記述を取りだしたところ、122項目、11のカテゴリー(①教育目標、②教育内容、③健康、④安全、⑤園長、⑥先生、⑦施設・設備、⑧相談、⑨連携、⑩情報発信、⑪その他)に分類することができた。

 次に、122項目を用いて調査Bを実施した。本研究の目的は、学校評価の質問項目を作成することである。122項目について、「幼稚園教育に対してどの程度必要と考えているか」の測定項目の尺度は、“ 1とても必要  2まあ必要  3どちらでもない 4 あまり必要でない  5 全く必要でない ”の5件法である。

そこで、本調査で平均点が2.0を上回るものは、質問項目として不適切であると考え削除した。
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<削除した項目>

1)英語活動を取り入れている。
2)週に2回は昼までで子どもが帰ってくる。
3)音楽活動に熱心である。
4)裸足で遊ばせている。
5)保育参観や行事が毎月ある。
6)運動会で親や祖父母が出る種目が多くある。
7)子どもの健康を守るため講演会をしている。
8)半袖で一年中過ごさせている。
9)風格のある園長先生がいる。
10)元気で若い男の先生がいる。
11)ピアノの上手な先生がいる。
12)外国人の先生がいる。
13)とても厳しい先生がいる。
14)放課後におけいこごとなどの教室が開かれる。
15)建物が新しい。
16)建物が平屋である。
17)毎日、給食がある。
18)園庭が芝生である。
19)懇談会は月に1・2回ある。
20)専門家が教育相談を行っている。
21)外国の人とコミュニケーションをとる機会がある。
22)保護者会が定期的にある。
23)参観日に幅があり、日時が選択できる。
24)教育内容よりも子育ての内容についての会合がある。
25)カラフルなコピーで見やすいお知らせである。
26)連絡帳には、園での様子が毎日毎書かれている。
27)ホームページを通じて、情報をわかりやすく伝えている。
28)小学校の夏休み中も保育がある。
29)制服がない。
30)子どもにとって動きやすく可愛いい制服がある。
31)子どもを預かってくれる時間が自分の都合に合わせることができる。
32)給食がおいしく、栄養価が示されている。
33)エアコンが完備されている。
34)送迎はスクールバスがある。
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上記の不適切と判断し削除した34項目を概観してみると「給食」「制服」など実施していないものや「半袖で一年中過ごさせている」などの一般化できない項目である。これらのことから質問項目は次ページの88項目となった。(別表3)

88の質問項目を見てみると、どれも高い数値であるが分かる。だれもが願っていることとして「幼稚園をよくする88の質問項目」とした。(別表3には、総合的な満足度を示す項目として「子どもをこの幼稚園にいれてよかった」を89項目に加えた。)

まず、保護者と教員の母平均の差の検定を行うと有意に差が認められる項目は、88項目中79項目である。これはほとんどの教員が保護者よりも「よい幼稚園のためには必要である」「大切な事柄である」と考えている項目である。

一方、教員よりも保護者の方が必要な項目であると反応しているのは、88項目中2項目にすぎない。

「洗濯しやすい制服がある」(保護者1.66、教員1.9)については、確かに保護者の家事労働負担の軽減から期待されることである。また、「経験年数が豊富な先生が多い」(保護者1.86、教員1.88)については、幼稚園の教員の構成要素として、教員の一定の経験年数が保護者から必要とされていることが伺える。このことは削除した項目に「元気で若い男の先生がいる」「ピアノの上手な先生がいる」「外国人の先生がいる」「風格のある園長先生がいる」「とても厳しい先生がいる」等があったことからもいえるだろう。

次に、保護者の母平均が1以上または、1に限りなく近い(1~1.02)項目を列挙する。
「人も自分も大切にすることを教えてくれる」(保護者1.10、教員1.03)、
「子どもが幼稚園に通うことを喜んでいる」(保護者1.13、教員1.09)
「自然に触れたり、かかわったりすることを大切にしている」(保護者1.17、(教員1.05)
「感謝の気持ちを育てている」(保護者1.18、教員1.08)
「子どもが友達と遊ぶことを楽しんでいる」(保護者1.19、教員1.06)
これらの項目は、よい幼稚園に期待する大きな要素といえる。概観すれば「人間関係づくり」や「豊かな心の育成」であり、このことは、他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育成し人と関わる力を育てることである。これは、「人間関係づくり」や「豊かな心の育成」を具体的な視点でだれにでも分かりやすく表現されたものであり、人間形成の基礎教育である幼児期に期待することとして保護者が幼稚園に強く要望していることが明らかになった。

また、これらの項目は教員の母平均も1以上または、1に限りなく近い(1~1.02)項目である。ここで、教員の保護者の意識との一致が見られたことは、幼稚園段階においては、子どもの育ちを軸として家庭の教育力を高めながら、学校教育が同じベクトルで強化されていく確かな方向性が見られると言うことでもある。

しかし、これらの項目はいずれも数値化が困難な項目である。保護者は子どもが、「自然に触れたり、かかわったり」しながら「人も自分も大切にすること」を学び「感謝の気持ちが育ち」ながら、「友達と遊ぶことを楽しんで」「幼稚園に通うことを喜んでいる」姿から、安心で信頼できる幼稚園であると考えるということであろう。

このような子どもの育ちのプロセスや成長結果を子どもの具体的な姿を通して保護者が実感するためには、幼稚園は何をなすべきかという重要な示唆となるだろう。

続いて、保護者の母平均が2以上または、2に限りなく近い項目を列挙する。

「子どもに、起床・食事・就寝・排泄などの習慣を身につけてくれる」(保護者2.13、教員1.69)
「色々なことを試すことができるあそびコーナーがある」(保護者2.10、教員1.71)
「毎日、絵本や紙芝居を見せてくれる」(保護者2.05、教員1.3)
「好き嫌いを克服する食事指導や工夫をしている」(保護者2.04、教員1.85)
「家から近く、徒歩で送迎できる」(保護者2.02、教員1.74)
「親同士の仲がいい」(保護者1.93、(教員1.56)
「知育重視にかたよらない指導をしている」(保護者1.90、教員1.48)
「ろうかにごみが落ちていない」(保護者1.90、教員1.40)

これらの項目は、よい幼稚園に必要とされる項目の中では、保護者が幼稚園に期待する度合いが、さほど強いとまでは言えない項目と考えられる。
以上の8項目のうち、「親同士の仲がいい」を除く7項目の共通点は、排泄・食事・通園等の基本的生活習慣に属することである。

このことは、保護者が幼稚園に必要と考えているのは、生活自立よりもむしろ学習自立に関する内容をといえるのではないだろうか。しかし、幼児教育においては、「いろいろな遊びコーナー」も「絵本や紙芝居」も発達段階をふまえた学習自立へ接続するための重要な活動の場であり教育内容である。

今後、各園においては、これらの「いろいろな遊び」や「絵本や紙芝居」が学習自立につながる重要な教育内容であることを事前にあるいは常時、保護者に対して十分説明していく必要があると考えられる。

最後に、本調査結果からみた特徴的な一つとして、保護者と教員の母平均の差の検定を行うと有意差が認められない項目がみられることがあげられる。それらは、保護者と教員の意識に差が見られない、つまり「共通認識がある」と言える以下の8項目である。

「子どもが、幼稚園に通うことを喜んでいる」
「運動面の指導が充実している。」
「定期的に点検され、壊れてもすぐに修繕されている。」
「園庭がゆったりとして広い。」
「経験年数が豊富な先生が多い。」
「小中高校生が体験活動に来る。」
「廊下に行事や活動の様子が分かる写真を貼っている。」
「行事前の連絡がしっかりしている。」

この項目を概観し分類整理してみると、安心で安全な空間的環境で子どもの健やかな体を育まれることと共に、経験豊富な教員や地域における小中高等学校の児童生徒との交流という人的環境が求められているといえるだろう。

さらに、幼稚園による情報提供として、教育内容や取組が日常的にまたは行事前に十分に伝えられることが保護者から求められていることが分かる。
これまでの調査の中でも、小中学校による情報提供については、「保護者は強く望んでいる」という調査結果がある。

第31回「学校教育に対する保護者の意識調査」Benesse教育研究開発センター(直井 2008.9)によると、全国の小学2年生、小学5年生、中学2年生の子どもをもつ保護者5,399名に学校公開・学校参加への希望をたずねた設問では、「子どもの学校での様子を保護者に伝える」「学校の教育方針を保護者に伝える」の2項目で、「望む(とても+まあ)」が9割を超えている。
毎日子どもを送迎し、保護者と教員が直接に話したり、様子を尋ねたりする機会が小中学校と比較して十分に確保されていると思われる幼稚園においても同様であるといえるだろう。

また、教員の意識との共通項目であったことから、教育の専門家として自覚し認識しながら教員は日々の幼稚園教育活動や幼稚園経営に当っているということであろう。翻っていえば、これらの8項目を除いた「幼稚園における評価項目」は策定されないとも言えるのである。

第4章 今後の展開

今回の研究目的は、幼稚園における学校評価項目を策定することにあった。今後の展開としては、「幼稚園をよくする88の質問」の項目が尺度として正しいかを検証していくことである。

各幼稚園において実施後に大項目の11項目(①教育目標、②教育内容、③健康、④安全、⑤園長、⑥先生、⑦施設・設備、⑧相談、⑨連携、⑩情報発信、⑪その他の平均の相関をとり、「この幼稚園に通わせて良かった」という満足度との重回帰分析をすることで、11項目のうちどの項目が自園の特色といえるかということも明確になるであろう。

そのことから、プラスの結果を一層強化し継続しながら「幼稚園の特色づくり」につなげることが可能となる。さらに、共通項目結果である保護者と教員の評価結果の差から意識のズレや情報発信内容の不充分さや実施方法や実施時期の検討課題を明確にしていくことも可能である。

今後は、質問項目の精度を上げるために、ケーススタディで幼稚園訪問による聴取り調査から探っていくことも予定している。

【謝辞】 
本研究にあたり福井県教育庁前田洋一先生には有益なご助言、ご指導をいただきました。また、奈良県大和郡山市教育員会並びに公立幼稚園の皆様には多大なご協力をいただきました。ここに記して感謝申し上げます。

【引用文献】
文部科学省(2008.3)「幼稚園における学校評価ガイドライン」
直井多美子(2008.9)「第31回学校教育に対する保護者の意識調査」
露口建司(2008)「保護者による学校信頼の決定要因-都市部近郊の公立中学校区を事例として-」(愛媛大学教育学部紀要 第55巻 第1号 pp.19~26.)

【参考文献】
前田洋一(1996)「学業成績に対する中学生の認知」(教育心理学研究 第44巻 第3号 pp.332-339.)
鎌原 宮下 大野木 中澤(1998)「心理学マニュアル 質問紙法」(北大路書房)
Adams,K.S.& Cristenen,S.L.(2000)“Trust and the family-school relationship examination of parent-teacher differences in elementary and secondary grades ” Journal of School sychology,38 pp.477~499.

資料1
<幼稚園における学校評価ガイドライン 別添2 評価項目・指標等を検討する際の視点となる例>
○ 各幼稚園や設置者において、評価項目・指標等の設定について検討する際の視点となる例として考えられるものを、便宜的に分類した学校運営における12分野ごとに例示する。
○ ただし、これらは、あくまでも例示に過ぎないものであり、1度にそのすべてを網羅して取り組むことは必ずしも望ましくない。また、各幼稚園の重点的に取り組むことが必要な学校評価の具体的な目標等を達成するために、必要な項目・指標等を設定することが重要である。

○ 以下に掲げた例については、内容に応じて再掲したため、重複しているものがある。
・建学の精神や教育目標に基づいた幼稚園の運営状況
・幼稚園の状況を踏まえた教育目標等の設定状況
・幼稚園の教育課程の編成・実施の考え方についての教職員間の共通理解の状況
・学校行事の管理・実施体制の状況
・教育週数、1日の教育時間の状況
・年間の指導計画や週案などの作成の状況
・幼小連携の円滑な接続に関する工夫の状況
・遊具・用具の活用
・ティーム保育などにおける教員間の協力的な指導の状況
・幼児に適した環境に整備されているかなど、学級経営の状況
・幼稚園教育要領の内容に沿った幼児の発達に即した指導の状況
・環境を通して行う幼稚園教育の実施の状況
・幼児との信頼関係の構築の状況
・幼児の主体的な活動の尊重
・遊びを通しての総合的な指導の状況
・一人一人の発達の特性に応じた指導の状況 など
・家庭や地域の保健・医療機関等との連携の状況
・法定の学校保健計画の作成・実施の状況、学校環境衛生の管理状況
・日常の健康観察や、疾病予防のための取組、健康診断の実施の状況
・事故等の緊急事態発生時の対応の状況
・家庭や地域の関係機関、団体との連携の状況
・法定の学校安全計画や、学校防災計画等の作成・実施の状況
・危機管理マニュアル等の作成・活用の状況
・安全点検(通園路の安全点検を含む)や、教職員の安全対応能力の向上を図る  ための取組の状況
・特別支援学校との交流の状況
・医療、福祉など関係機関との連携の状況
・校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名や校内研修の実施等、特別支援教育のための校内支援体制の整備の状況
・個別の指導計画や教育支援計画の作成の状況
・家庭との連携状況
・園長など管理職の教育目標等の達成に向けたリーダーシップの状況、また、他の教職員からの信頼の状況
・校務分掌や主任制等が適切に機能するなど、学校の明確な運営・責任体制の整備の状況
・職員会議等の運営状況
・学校の財務運営の状況(学校が管理する資金の予算執行に関する計画、執行・決算・監査の状況等)やその公開状況
・勤務時間管理状況等、服務監督の状況
・各種文書や個人情報等の学校が保有する情報の管理の状況、また、教職員への情報の取扱方針の周知の状況
・学校運営のための諸事務等の情報化の状況
・学校保健法、労働基準法等の各種法令の遵守状況
・保育研究の継続的実施など、指導改善の取組の状況
・校内における研修の実施体制の整備状況
・校内研修の課題の設定の状況
・校内研修・校外研修の実施・参加状況
・臨時採用・非常勤講師等の非正規採用教員の資質の確保・向上に向けた取組の状況
・指導が不適切である教員の状況の把握と対応の状況
・上級免許や他の資格等の取得状況
○教育目標の設定と自己評価の実施状況
・幼児や幼稚園の実態、保護者や地域住民の意見・要望等を踏まえた学校としての目標等の設定の状況
・学校の状況を踏まえ重点化された短(中)期の目標等の設定の状況
・目標等を踏まえた自己評価の項目の設定の状況
・自己評価が年に1回以上定期的に実施されているかなど実施の状況。
・自己評価の結果の翌年度の目標等の改善への活用状況
・全教職員が評価に関与しているかなど体制の状況
・外部アンケート等の実施と自己評価への活用状況
・自己評価の結果の設置者への報告の状況
・学校の目標・計画等
○学校関係者評価の実施状況
・保護者その他の学校の関係者による主体的・能動的な評価が年に1回以上定期的に実施されているかなど実施の状況
・学校関係者評価が自己評価の結果を踏まえたものとなっているかなどの状況
・学校関係者評価のための組織(学校関係者評価委員会のほか、学校評議員や学校運営協議会等の既存の組織を活用する場合を含む)の構成等の状況
・学校関係者評価の評価者の構成の状況(保護者が含まれているか、など)
・学校関係者評価の結果の翌年度の目標等の改善への活用状況
・学校関係者評価の結果の設置者への報告の状況
○学校に対する保護者の意見・要望等の状況
・保護者の満足度の把握の状況
・教育相談体制の整備状況、保護者の意見や要望の把握・対応状況
・学校に関する様々な情報の提供状況
・学校公開の実施の状況
・幼児の個人情報の保護の状況
・学校評価(自己評価・学校関係者評価等)結果の公表状況
・園便りや学級便りの発行など、主として保護者を対象とした情報の提供状況
・情報提供手段として、ホームページを活用するなど、広く周知するための工夫の状況
・学校運営へのPTA(保護者)、地域住民の参画及び協力の状況
・地域住民から寄せられた具体的な意見や要望の把握・対応の状況
・学校評議員やPTA(保護者)との懇談の実施状況や学校運営協議会の運営状況
・PTAや地域団体との連絡の充実の状況
・地域の自然や文化財、伝統行事などの教育資源の活用状況
・教材の開発等に地域の人材など外部人材の活用状況
・保護者・地域住民を対象とするアンケートの結果
・地域や保護者の実情や要望による幼稚園の子育ての支援活動の実施状況
・教職員のカウンセリングの基礎の理解と相談機能の状況
・他の関係機関との連携状況
・保護者の実情や要望による預かり保育の実施状況
・園や教職員による受入れ体制の状況
・幼稚園の目的、教育課程との関連、幼児の負担、家庭との連携等への配慮
○施設・設備
・施設・設備の活用(余裕教室等の活用を含む)状況
・設置者と連携した施設・設備の安全・維持管理のための点検の取組の状況
・設置者と連携した施設・設備の安全・維持管理のための整備(耐震化、アスベスト対策を含む)の状況
・設置者と連携した学校教育の情報化の状況
○遊具・用具・図書等
・設置者と連携した遊具・用具・図書等の整備の状況
・設置者と連携した学習・生活環境の充実のための取組状況

091201大学紀要p93(善野:別表1(Aアンケート「私が親なら こんな幼稚園に通わせたい」)[1]

091201大学紀要P93-94(善野:別表2(Bアンケート「幼稚園をよくする122の質問」)改[1]

091201大学紀要P95-96(善野:別表3(Cアンケート「幼稚園をよくする88の質問」)改[1]

091201大学紀要P97-99:別表4(保護者と教員の平均の差[1]

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